ダックスフントの椎間板ヘルニア
非常に多いです。
ダックスは椎間板ヘルニアを起こしやすい犬種ですが、最近は手術を必要とする重症例がとても多いような気がします。
今回の症例はプリンちゃん。13歳です。
前日より突然後ろ足が立たなくなったとの主訴で来院しました。
観察してみると後ろ足は完全に麻痺、つねってもまったく痛みを感じていません。本人の機嫌は悪くなく、食欲もあり、前肢だけでスイスイと元気に動き回ってる感じです。
椎間板は背骨の、椎骨と椎骨を繋いでいるクッションの役割を果たします。これがあるから背骨は曲がるわけです。しかし年齢とともに体の各所が不具合を起こすように、椎間板も年とともに劣化してきます。そして破綻し、椎間板の中身の髄核という物質が飛び出し脊髄神経を圧迫する状態が、この椎間板ヘルニアのtype1と呼ばれるものです。
ダックスフントは遺伝的にこのtype1椎間板疾患が非常に多く、若い年齢でも発症します。
プリンちゃんの場合は、検査をしてみますと胸椎の上から12番目と13番目の間の椎間板が破綻し、髄核が脊髄を圧迫していました。
手術では、この圧迫物質を取り除きます。大量の髄核で脊髄が凹むほど圧迫されているのが手術をすればわかります。
プリンちゃんは、翌日は補助すればやっとこさ立てるくらいでしたが、術後リハビリを頑張り、1週間ほどでなんとかよたよた歩けるくらいに回復しました。
手術も大切ですが、術後のリハビリが予後を大きく左右します。
なんとかお正月には元気に歩けるよう頑張ろうねー。
朝から晩までリハビリにつきっきりで看護師が腰を痛めました。あちゃー。看護する側の腰もいたわらなくちゃ。
毎日様子を見に来るお父さんの心配そうな顔が、ちょっとずつ笑顔になってきたのが嬉しい。あと少しです。