椎間板ヘルニア

またまた椎間板ヘルニアの症例です。
ダックスフント、多いですね。ダックスの場合は椎間板ヘルニアの中でもType1 という椎間板の囲いが破れて中身がブチュっと飛び出すタイプです。
このタイプはある日突然発症します。今朝まで普通だったのに夕方には後ろ足が動いてなかったとか、キャンって鳴いたら動かなくなって震えてるとか。特に、時間が経過するごとに症状が重くなる場合は重度のことが多く、完全に麻痺、つねっても何しても感じなくなってしまえば極めて予後が悪くなりますから、進行するようなタイプの場合は大急ぎで受診してください。

症状が痛みだけで麻痺が見られないような場合は自然治癒する場合もあります。
軽い麻痺で止まってれば、これも自然治癒する場合もあれば後遺症が残る場合もあれば、いろいろです。
どちらにしても、椎間板ヘルニアかどうかの判断も大切ですから、早めに受診するようにしてください。
ダックスに多い病気ですが、ダックス以外にも起こります。

今回紹介するのはナナちゃん。
6歳のダックスフントです。女の子です。

昨日まで何ともなかったのに、今朝から後ろ足がおかしいという主訴で連れてこられました。身体検査、神経学的検査、レントゲン検査、血液検査で椎間板ヘルニアと診断し、炎症を止める注射をしました。そしたらその日の午後に再びおこしになって、まだ歩けてはいるがだんだん悪くなっているとのことでした。麻痺がかなり進行していました。これはいかんということで、その日のうちに圧迫している椎間板物質の除去手術をすることになりました。手術直前にはもう歩けなくなっていました。

幸いナナちゃんは、早期に手術ができたので手術翌日からなんとか立つ事ができるようになり、3日後くらいにはフラフラと歩けるようになりました。
今ではすっかり元気に走り回っていますが、これは飼い主さんの迅速な判断が功を奏した典型例ですね。